説明
録音を始めてから2年強か。随分と長くかかったもんだ。 42歳のぼくのファーストアルバム。
と言ってもこれまで宅録で何枚かは作ってたんだけど。 出しては気が変わって廃盤にしてた。自信がなかったんだろうね。
今回はぼくの近くにいる名うてに手伝ってもらうことにした。 めちゃくちゃビビりながらお願いしたのだけれど、 ありがたいことにみんな快諾してくれた。
ぼくの投げっぱなしに近い要望に素敵に応えてくれた。 みんなの演奏を聴きながら、何度も心に灯がともった。
やっててよかったな。このアルバムを作ろうと思ってよかったな。 この人に頼んでよかったな。
2年もかかったのだ。 手伝ってくれたみんなはそれぞれ頑張って自分の世界を拡げていっ ている。ぼくは今この1枚に自分を感じている。
とにかくボーッとしていたいぼくは、何をするにも時間がかかる。 それでいいのだ。それでよかったのだが。
完成した音を聴きながら、もっと作りたいなと思う。 もっと作品を聴いてほしい。どうやら自信を持てたのだ。
ぼくが「アルバムを作っている」というといろんな人から「 はよしろ」「まだ?」「楽しみだ」などと言われた。 なんてことだろう!
ぼくは長いこと飯屋やデザイナーとして働いていたが「はよしろ」 と言われて嬉しかったことなどなかった。「まだ?」 と言われて嬉しさに焦るなどということはなかった。 飯屋のお客も楽しみにしてくれてたんだろか。
ぼくが作るものを自分ごとのように思ってくれる人がいた。 知らなかった。わかってなかった。繋がっとるのだ。
あまりにも自分ばっかりだった。ずっと大阪におった。 家におった。自分のなかにおった。
最近はツアー以外でも行動範囲を広げることにしている。 想像以上に楽しい。
それはなぜかと問われたら、 恐怖していたものが恐怖に値しないということがわかったからだ。
このアルバムの中の歌には「助けてくれ」 と言えなかったぼくの根本が詰まっているように思う。
助けを求められずに「自分」 と社会的な機能だけで解決しようとしながら、 結局はどうも自分の狭い世界の中から「気づいてくれ」とか「 このことに気づきました!」 みたいなことを叫んでいたりするよなぁ。 書いたときはそんなことは思ってないんだ。音楽は、言葉は、 歌は楽しい!と思ってやっとるんや、 ということを名うてたちが見事にすくい上げてくれた。 具体的に助けを求めれば、助けてくれる人はいたのだ。
この感じが聴いてくれた人に伝わればいいな。
またこれから2年後、ぼくはどこにいるんだろう。
やっぱり四方八方、散らかりながらいろんな人に出会いたい。
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