生命万歳

うすい茶色のトラ猫がもう煙の出ない銭湯の煙突の天辺でうたた寝している
欠伸から風が生まれてここにも届けられる実に生臭い夜だ

時代は変わると歌った人がいたな
テレビ受信機をどれだけ発達させてみても
届けられるニュースは繰り返すだけ
ノーテンキな顔してほうじ茶を飲んでる

中島らもが死んだ日もアルバートホフマンが死んじゃった日も
たいしたニュースにはならなかったな
どうして報道特別番組を五時間くらいぶっ通しでやらなかったのかな

だれかに殺されてしまう前にもっともっと
もっとバカバカしいことをやっていたい
フルチンってやつは素晴らしく簡単な馬鹿で
生まれたままの姿が違法だってのもむかつくはなし


お金の缶詰をフリスビーにして犬にとってこさせる
角のつぶれた缶詰には歯型がついていて
ヨダレがボーナスを要求している
与えられたのは無添加のドッグフードだった ちゃくちゃくと

ちゃくちゃくと体に取り込まれていく常識の脂肪はジョギングの息切れを追い越していく
 一度付いた脂肪はなかなか取れない

ホップステップバングって叫んでから空気の裏側へ滑り込む
肝心なのは皮膚だ肝心なのは感覚だ
そっと触れてみる時間は僕のものだ

恋人よ太古のリズムに踊りながら真っ赤なリンゴでキャッチボールをしよう
そのうちどちらかがリンゴを取り落とすだろう
腐った時の中から新しい時も生まれだろう

ふと床におとしてしまったオールドクロウのボトルが砕けてしまう
尖らせた口先でちゅちゅうやるのだが
うっかりした流血が琥珀と交じり合ったりするから
う~~~~ん人間は素敵だなぁ

僕の血の中 そこを泳ぐ魚がときどき跳ねたりするもんで
そいつのしずくが頬に色を添える
君、あんまりかき混ぜないで呉れたまえ


猫がもう煙の出ない銭湯の煙突の天辺で うたた寝をしてるのがここから見えるわけも無い
自由になりたいとパンツを脱いで チンチンをプロペラみたいに回転させても
角度が違うよ壁で頭をぶつけてしまうのがオチさ 「ねっころがるんだ」なんて言って
僕は煙草に火をつける


窓の外月明かりに照らされてフルチンの馬鹿が飛んでいくぞ
「お~い!何処へ向かうの?」
それは誰も知らない
自由なんてもんはきっとその奥にある

そしてこの夜の生臭さはどうやら恋の匂いだったよ
猫が食ったのは烏賊だったか

雪が、降りよる 栗の花

生命万歳! 生命万歳! 生命万歳!
Viva la vida loveyだ

歌詞『生命万歳』のこと

隅田川乱一という人の本を読んで、思考が流れるままにかいた歌です。 こういう、バラバラに見えてつながっていたりするのは僕自身は大好きなんです。 床の上の割れたバーボンを吸ってて口を切ってしまったりなんかして。 人間はバカなことをやって失敗するところが特にキュートだと思うんです。 ただ、書き終えた当初は歌うつもりじゃなかったんですよ。 なんとなく歌ってみたら気持ちよかったので、歌うことにして、そのときに初めて「この詩はいったいなにを言っているんだろう?」と考えたんですよ。 それでついたのが「生命万歳」というエンディングの連呼と、「ぱ~んぱぱ~んぱんぱんぱん」という「口でやるラッパの音」なんです。