金魚

肺結核のカーテンのなかで
吐きだした心臓がせつなさに溺死したあとの夕方
スピーカーから鉛の直線がのびて
夕刻を反射しはじめる
部屋の中いっぱいに真っ赤っかだよ

回想譚の泡は空咳に弾け
皮の剥けた果実みたいだオレンジ色の心臓は
出口をさがすオレンジにひれが生えて
お部屋の中を泳ぎまわる ゆらぎのゆれの霧の奥
叉拏(シャナ)至れるふるさとは
ただそこにあるかないかの揺れ加減で
めぐりめぐっているのです

細胞膜の大気圏をやぶり
塩の隕石が落ちて離ればなれの散り散りに
クレーターには宇宙線が注ぎ
なかったことになりました
なにもなかったのでしたシャララルルラルラ

名付けの親の生みの親はその子供に殺されて
ハエのゆりかごのオレンジは穴だらけ
醜さそしる人もなく時をはかるものなく
動きは動きのままに
ただそこにそれぞれのそれ加減で
関係しあっているのです
悩みの種は芽吹くことなく虫になって
やがて朽ち果て新たな種をはぐくむのでしょう
まばたきだけが世界に色をつけた
はばたく鳥の目が花の恥部をつっついただけ

どうってこともねえ どうでもよくもねえ
どうってこともねえ どうでもよくもねえ

歌詞『金魚』のこと

たいしたことじゃないはずなのに迷ったり。でも死なないでねつまらないから。 ある日床で眠ってしまっていて、目を覚ますとカーテンの向こうからものすごい西日が差してたんです。 死んだみたいな気分でした。