日記ノ06

枝豆がつとめられておったので買って帰る。枝豆ご飯を炊く。手羽元を買ってあったので圧力鍋にて炊く。とにかく炊く。ゆでたまごとともにすっぱ煮にする。先日そうめんをした折にきのこを炊いた汁で入り卯の花。またしても炊く。だしの昆布は細く切ってポン酢で。とにかく食う。胡瓜および人参を切ったものに塩麹を添える。野菜室で寒そうにしていた大根で味噌汁。白菜の漬物。

料理をする。なぜだろうか。食べることが生きる基本だからだと思っていた。そして食べることが好きだからだと思っていた。しかし昨日ふとある思いにいたった。俺は独りにならないために料理をするのではないかと。

母が大病で入院していたとき、俺は兄と父の飯を作ったり洗濯や掃除、まぁ家事全般をやっていた。男だけの家。飯などは各自適当に食えばいいのだが、俺は作っていた。そのときはなにも考えずやっていたのだが、ふと、だ。俺は家族がバラバラにならないように、飯を作ることによって家を守っていたのではなかろうか。呑む打つ買うの冗談みたいな親父と、ドイツ人の性転換したニューハーフの家にいりびたってる兄貴。母が不在となるとこの家庭は完全に崩壊してしまうのではないかという不安が俺に飯を作らせたのではないか。おかえりなさいというために。なんといじましい、いや、健気なことか。

俺が頑張っているということを母から言われた父は「そらお前が金やってるからやんけ」と言ったそうだ。なんという親父であろうか。母も病気でつらかったのか、アホなことにそれを俺に言わいでもええやろ。わりと打ちのめされた。しかして俺は無駄遣いを減らすように心がけた。

なんてことを思い出しつつ巡らせながら枝豆のさやを剥いていると、幼きころ(©ジャルジャル)の土曜日、珍しく早く帰ってきた父とみたナイターやプロレス、ひょうきん族を思い出して侘しい。また幼きころ(©ジャルジャル)、母といっしょにきぬさやの筋をとったなぁとか思い出して侘しい。料理は侘しい。おもしろ侘しい。

しかしそうか。俺は家庭を守りたかったのか。幼きころ(©ジャルジャル)の俺に今なら言えよう。「拗ねんでええよ。よくがんばったなマサヒロくん」なんつって。

 

さて、夏休みのない夏である。妻が美味しいといって飯を食う。